フィクサーウラバナシ
先日投稿したフィクサー×ゴーストトリックMMD-PV「どうせなら■■■になればいい」が投稿から二週間近く経ったので、動画中の小ネタや裏話などをオープンにしてみようかと。
裏話と言ってもほぼ個人の妄想をのんべんだらりと書き連ねているだけで、技術的なものはとても少ないのでご留意ください。あと長い。
また、当然のコトながら、動画とともにゴーストトリックのネタバレを含みますので、ゲームクリア後に読んでいただきますよう、しおだまりともども、よろしくお願いいたします…。
OKですか?
以下、箇条書き形式。
歌詞関連
※動画では歌詞をゴストリ作中風の表記にしていましたが、こちらでは本来の表記で歌詞を載せています。
今日までの記憶の全部を消してしまう時まで眠れない
あしたから生きていく自分の身代わりが欲しくて堪らない
(http://piapro.jp/t/G_Y4より、以下歌詞引用部分について同様)
- そもそもこの動画は、冒頭のここが
ヨミエルだーーーーー!!!(爆発する背景)
というトコロから始まっているので、最初の歌詞が出てくるところを見せたいがために 過去最長のクレジット抜きで《5分間》、かつ元PV再現というハードモード動画(当社比)に手をつけた節が。
大丈夫と言わせて 後から君のせいにさせてはくれないか
今更意味ないから後から君のせいにさせてはくれないか
- 君のせい:アオい国を頼り、見えずとも自分の手を汚し、冤罪者から本当の犯罪者になってまでもヨミエルが欲しかったのは「安心」と「責任転嫁先」だったのかな、とぼんやり考えながら、この辺りの歌詞文字を書き出してました。カバネラのせい、ジョードのせい、リンネのせい…(カバネラはわりと合っているけど)
あるいは、君≒喪ったフィアンセの復讐、という自分の責任転嫁への口実?
だから
沈め
這い上がれないほどまで
飽きるまで
落とせ救い垂らす時まで
- ここもヨミエルだーーーーー!!!(爆発する背景)ポイント。
- 救い垂らす時まで:ヨミエルから救いを垂らすときではなく、『シセルたちから救いを垂らしてもらう』時まで、という意味にも取れるな、と。
- 「沈め!」と呪っているのに自分が沈んでいるという皮肉は、動画全体のテーマでもあります。
嘘味の粒々を喉から締め出した悲鳴ごと嚙み砕く
笑顔が下手なばっかで 知ったような口ぶりに沿ってやり過ごす
なりたくなかった
死んでしまえ
この先も過去も知らず 嫌いなら
壊せ
どうせなら加害者になればいい
食べきれない苛立ちも何も生まない悲しみも
味気なくて吐き出す前にもう次を歌え
- 一番がピンポイントでヨミエルだーー!!!(爆発)なら、二番は総じてヨミエルだ……(バックに火の粉が舞いつづける)的な感じだという個人的な感想があって、そのなかでもこの2つは彼の"10年間"を表すような歌詞だな…と特に思います。
タイトルをここの歌詞からとったのもそれゆえ。
- なりたくなかった:ヨミエルは一番の被害者だと思うし、彼の10年にわたる"八つ当たり"だって、本当の彼は望んでいなかったと思う。
- ここに関しては自分の中のヨミエル像と合致しすぎてて、言葉で語るよりも感じてほしいところが大きい。
どうせなら
踊り踊れ
灰色になり切る前に 打ち鳴らせ
変われ
眠り落ちる時まで
- ここ以降は演出としても歌詞としても、"沈んだ"後。
- ヨミエルが溺れ死にそうになったリンネを救ったときの心情、自分の話に涙を流してくれたときの心情を思うとそれはそれは胸がつまるのだけど、あの出会いがあったからこそヨミエルは「盲目的な復讐者」から目覚められた、最後の《更新》が出来たのだと思っています。
- 灰色になりきる前に:(コアが)=手遅れになる前に…みたいな。
どうせなら
奪え飼い慣らした嘘暴いて
煮え滾る頭に過ぎった虚像を見ていた
自分を見ていた
- 飼い慣らした嘘:"シセル"という偽名、本来のヨミエルとは異なる"復讐者"としての妄執、「これで自分の悲しみが晴らされる」という思い込み…などなど。
- 「奪え」という歌詞は元の『フィクサー』としては哀しい・空しいというか、被害者が加害者になる的なニュアンスが強い気がするけど、今回のゴストリ版では「死の運命から新しい《現在》を奪い取れ」的なニュアンスも籠ってました。
- あーここ演出でもうちょい凝ればよかったああああ(いつものこと)
- もちろん最後の二行はシセルのこと。自分の姿(本来の姿とは異なる像="虚像")を取っていた、ゴースト(この世界には存在しない="虚像"のダブルミーニング。
演出関連
- 基本的に《公式》フィクサー/flower - YouTube(以下、元PV)の演出を踏襲させていただいています。
背景
-
柵の奥:ゴストリ原作の背景ビル群…風。ビルはフリーの画像素材(NY、マイアミ)をお借りして、元PVに近い配置に加工して使用。窓は一つ一つ描いていたところ、途中で「窓が全部点いてるパターンを用意して、それをコピペしてところどころ消せばよいのでは」と気づいた(あほ)
- 幕以外:すべてMMDモデルをお借りしています。(クレジットは動画参照)
元PVのように燭台を置けなかったので砂時計だけに変更。 - 歯車:フィクサー="黒幕"から、物語の歯車(NDS『ゴースト トリック』プロモーションムービー - YouTube 終盤参照)を動かすもの、あるいは最後の歯車というイメージ。「歯車の蝶」という名前のステージの一部をお借りしたので、「蜘蛛の巣に捕まった蝶」のイメージもある。蜘蛛の巣については16章冒頭のシセルのモノローグより。
- 幕:ゴーストトリック非公式Webアンソロでも使った幕素材を使いました!!!!!(宣伝)
(表紙絵は下手だけど中はすごいよ!!!)
動画
- 音源:「フィクサー」歌わせていただきました。影縫 英 - YouTubeをお借りしました。息の抜き方の感じがとても好きです。カッコいい…
- 最初の高速で出てくる文字:『永遠に辿りつかない海底にゆっくり沈み続けていく』
本当は元PVと同じ「◯◯して」で終わらせたかったけど思い付かなかったです。 - 沈めのところ:カットインはお馴染みの攻略本やPVのあれ
ここでも使ってました
- 間奏:台詞高速地帯は不完全ながらも元PVを踏襲。以下各スクショとともに特に見にくい部分を説明。
17章、縦になった潜水艦での語りより
ここだけシセルの台詞(モノローグ・16章冒頭)《公式》フィクサー/flower - YouTube 2:58より
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「4分前」のリフレインは元PVより 台詞は最終章から少し改変
《公式》フィクサー/flower - YouTube 2:59より
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切れているけど17章から
「もうすぐ、きっと…オマエは思い出すだろう。オマエ自身のコトも…そして、このオレのことも。」元PVの「なにも」を「生」と「死」に変更
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17章より
「絶対的な…そして圧倒的な、“コドク”と“絶望”。そいつを、アンタたちも味わうべきだ。
そう思った。」 -
そんなことはわかっているさ。
思い出したか、
- 沈め 沈め:ここをやりたいがために 過去最長の(略)に手をつけた節が。泡の動画素材はニコニ・コモンズよりお借りしています。
- 歯車の中心から離れて、底のない深海へ。
- "自分"を見ていた:ゴストリ作中ではヨミエルがシセル(≒プレイヤー)を見てきたけど、こっちではシセルがヨミエル(≒視聴者)を見ているという逆構図。
にゃーん
動画編集関連
- 歌詞はゴーストトリックに使われているフォント「ニューシネマA-D」を使いたかったけどライセンス取得が無理ゲーだったので、その派生フォント(ニューシネマB-D)を使えるメディバンペイントを使って作成。
- 動画画面サイズのキャンパスに元PVの目トレスで文字配置、そのまま透過PNG出力してAviUtlでそのままポイ。
- …を、歌詞切り替わり分の枚数やりました。(これをやりきってしまったので、途中でしんどくなっても後に引けなかったとも言う)
- AviUtlで本格的な編集をするのはほぼ初めてだったので、元PVを再現しきれなかった部分が多いのが悔しいです。
- 乗算の強さを学びました。あとテクスチャーは偉大。
総じて
- 長々と描きましたが、元のフィクサーという曲が大好きだったので、ゴーストトリックとぬゆりさんの双方へ自分に出来る最大限のリスペクトをカタチにつもりです。悔いはないとは言えませんが、頑張ったぶんはカタチになったとは信じたい…
- ヨミエル中心の動画はいつか作りたくて、その未遂のようなものが去年の7th動画だったりもするのですが、今回ちゃんと彼中心の動画を作ることが出来て本当に良かった。
彼の"10年間"については考えると虚しくて悲しくて切なくなるのですが、その”切なさ”が少しでも伝わっていればいいな、と。 - 最後になりましたが、素敵なモデル、エフェクト、各種素材、ソフトウェアを公開してくださった皆さん、そして動画をご視聴してくださった皆さんに、この場を借りて改めてお礼申し上げます。本当にありがとうございました!